8月1日・NPO本の学校文化祭 「ブックスタートの23年 日本での取り組み/世界へのひろがり」
市町村の乳児健診の際などに、赤ちゃん家庭に絵本と絵本の読み聞かせ体験をプレゼントするブックスタート事業は、全国の6割を超えるまちで実施されています。
本の学校は、英国バーミンガムで始まったこのブックスタートを、2000年(子ども読書年)に日本に紹介した佐藤いづみさんと、その当初から連携を深めてきました。
ブックスタートには、まちの保健師さんや図書館司書、そして読み聞かせボランティアなど幅広い人々が協働して取り組んでいます。
今回、2年目となるNPO本の学校文化祭は、「鳥取県図書館大会」の特別分科会として、ブックスタートの現在とこれからをテーマに開催、図書館や読書活動関係者だけでなく、いくつかの自治体の保健師さんにも参加いただきました。
講師の佐藤いづみさんからは、この23年間の日本のブックスタートが、他の国にも波及して、グルーバルネットワークが構築されていることをご紹介いただきました。
ブックスタートは、早期教育や子どもの学力向上などに結び付けてはならないと日本では考えていますが、欧州などでは、何等か具体的な成果を示す必要があると受け止められていました。
しかし、ブックスタートを発案したウェンディ・クーリングさんの考えや、日本のブックスタートの理念が紹介されたり、コロナ禍を経て人々の心身の健やかさが重視されるようになったこともあり、その受け止め方は広がりを見せ、最近はその「成果」を求めるというのではなく、赤ちゃんを真ん中にした家庭、それを取り巻く地域の健康や豊かさにつながる、ウェルビーイングの実践としても広がりつつあるとお話しいただきました。
境港市「おはなしポケットの会」代表の足立茂美さんの実践報告とともに、オンラインを含めた60名あまりの参加者には、あらためてブックスタートの意義とまちづくりへの可能性を感じていただける分科会となりました。