<参加受付中!>第20回「広島大学文藝学校」

学びの場拡充事業

本の学校文化祭 報告

去る11月6日(日)、NPO本の学校は法人化10周年を記念し、「本の学校文化祭」を開催しました。(会場:境港市民交流センター「みなとテラス」 主催:NPO本の学校設立10周年記念 本の学校文化祭実行委員会 共催:鳥取県立図書館・境港市民図書館)
記念講演に金田一秀穂氏(言語学者・山梨県立図書館長)をお迎えしたほか、各分科会やお話し会、展示も開催。延べ約450名にご参加いただきました。


金田一氏は記念講演「金田一先生の日本一受けたい授業-図書館は屋根のある広場」で、コロナ禍によるリモート授業やzoom会議の物足りなさに触れ、「物足りないのは『気配』が感じられないから」「ひとは出会うときに『気配』を伝え合っている」と語りました。
氏は続けて「図書館は人の『気配』を伝えるところ。図書館の居心地の良さはそこで働く人の『気配』が作り出す」「図書館で働く人が楽しそうであること、熱心であるということが、居心地の良い『気配』作りにつながる」とし、図書館が老若男女問わず、特に貧困家庭の子どもたちなどにも行きやすい場として「屋根のある広場」になれれば良い、と期待を寄せました。
さらに「本は優しい。いつも変わらず待っていて、何度も丁寧に教えてくれる」「本は面白いところだけ読み、わからなければやめていい。人間と違って本は絶対に怒らない、優しい先生」とユーモアを交えながら語りました。
最後に松尾芭蕉が伝えたこととして「時間の経過とともに人も自然も変わる。けれどたったひとつ変わらないもの。それは言葉である」と説き、境港市民図書館で展示中の「一棚図書館」(同企画に携わった方たちがおすすめの本を選び、コメントともに展示した)で氏が中国の古典を選んだ理由について触れ、締めくくりました。
終始歯切れよく、温かいユーモラスな語り口で参加者を魅了し、終了後のアンケートも大好評。「またお話を聞きたい」との回答も多数いただきました。
氏は帰り際「今回はカニを食べられなかったので、また来ます」と言ってくださったそうなので、実現するかもしれません。

午後からは10の分科会および、地元ボランティアによるお話し会を開催しました。
分科会の準備・受付・運営全般はすべて、担当の実行委員各々が工夫を凝らして行いました。
参加型ないし質疑応答のしやすい講演形式で、こちらも大変好評でした(金田一秀穂氏が分科会に参加された、というサプライズも)。
お話し会も、幼児から大人まで多くの参加者でにぎわいました。

はじめての文化祭の実行委員会には、県立図書館及び境港市民図書館、さらには大学図書館や学校司書の有志の方など、多くの皆さんに関わっていただきました。
県下の図書館ネットワークとNPO本の学校のコラボは、鳥取県の読書活動を支えるための強みだと実感しました。
文化祭を終えた今、まずは今回の文化祭に関わっていただいた方・参加してくださった方の声を丁寧に聴き、ニーズに応えていくことが必要と思います。
済んだこととして安心せず、課題を洗い出すこと。
そんな中から少しずつ、今後のビジョンを描けるのではないかと考えています。 

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